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・燃料噴射弁の開弁時期および燃料噴射圧力は、従来カムとミラーカムとで違いは見られなかった。(図119)

 

e. 燃焼状態について
・従来カムに比ベミラーカムは、大幅に燃焼最高圧力が低下することがわかった。(出力率266時で約20%低下)
・また、これに伴いシリンダ内温度が低下しており、NOx低減に寄与しているものと考えられる。(図120〜122)
・熱発生率については、従来カム、ミラーカムともにほぼ同じレベルになっており、熱発生期間についても違いは見られない。

 

3)温度計測結果
・シリンダヘッドの燃焼室側の温度は、出力率354の場合、最高で約230℃であり問題ないレベルであることがわかった。
最も温度が高くなると考えられる排気弁一排気弁間については、熱電対の断線のため計測できなかったが、他の計測点での結果および260mm試験エンジンの結果から約300℃であること推定され、問題ないものと考えられる。(図123)
・シリンダライナの燃焼面側の温度は、出力率354の場合、最高で約310℃であり問題ないレベルであることがわかった。(図124)
・シリンダヘッド、シリンダライナともに従来カム使用時よりも、ミラーカム使用時の方が温度が低下していることがわかった。(最大で約20℃)
・中実(従来型)の排気弁と中空(Na封入)の排気弁を比較すると、中空弁の方が最高温度で約10℃温度が低下していることがわかった。
シート部は両者ともに周囲温度に比べ、約50℃下がっていることがわかった。(図125)

 

4)試験部品分解点検結果
・連接棒は大端部にフレッチングの発生も見られず間題ない。(図126)
・ピストンのトップランド部のカーボンの付着状況は、従来の形状に比べファイヤリング付の方が明らかに少なく、シリンダライナの偏摩耗や鏡面化に効果があるものと考えられる。(図127)

 

 

 

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